言葉の魔法1

記憶力がかなり悪い私でも
60年間で 忘れられない言葉がいくつかある。
その1.


18歳のころ
「そうしようと決めたのは、自分でしょ?無理やりさせられたわけじゃないでしょ?」


悪い友達に誘われて行動したことで とても辛い悲しい思いをしたと
フィリピノアメリカンの友達に話した時に言われた言葉。
優柔不断で自分の意思にちゃんと従えなかったわたし。


「あなたの性格は、アメリカ向きじゃない。帰った方がいい」そうも言われた。
言いたいこと、したいことをちゃんと言ったり行動したりできなかった。
誰も優しく慰めてくれるでもなく 誰も守ってくれるわけでもないことを
泣いて泣いて暮らして やっとすべての責任は自分なんだと思うようになったのが
20歳。すべて自分次第なのだということも。
ボーディングハウスのオーナーに
「もし、家の外に拳銃を持った泥棒が家に入ろうとしていたら・・・
 家に入るのを待ってから、撃ち殺しなさい」と言われ驚いた。
自分の身は、自分で守らなくてはいけない。
危険を早く察知して身を守る行動しなくちゃいけない。
こわ~~い・・・早く帰りたい。。と思った。


アメリカから帰って 高校時代の友人(男性)と祇園祭へ行ったとき
お酒を飲もうと二人でカウンターに座った。ビールグラスが出てきたけれど
私のグラスにヒビが・・・
「すみません~~グラスにヒビが入っているので交換してください」と軽い気持ちで
言うと 隣に座っていた友人が私を止めて  小声で
「そんなことを言ったらお店にいるお客さんに聞こえる、店の人に悪いだろ」
と言われて・・・あぁ・・私、日本に戻ってきたんだ・・この繊細さ。と感じた。


空気を読む・・というけれど 私は今も空気が読めない。
だけど何があっても 誰かのせい・・と思うことは、あまりなくなった。